酸素カプセルを理解するための基礎知識 ~平衡と拡散~

 - by kiyoshi

平衡状態

下図のように気体と液体が接したとき、気体の分子構造を崩さずにそのままの状態で液体の中に溶け込むという性質があります。液体よりも気体の分子が多い場合は気体から液体へ溶解し、逆に液体の分子が多い場合は気体へ放出します。気体と液体への移動がなくなった時の状態を平衡状態といい、常に移動のないこの安定した平衡状態を保つように振る舞います。また、平衡状態の時の分圧値は同値をとり、気体の分圧値をそのまま液体の分圧値として取り扱います。

ヘンリーの法則

気体から液体へ溶け込む量は気体の分圧に比例する」。これがヘンリーの法則で酸素カプセルはこの法則を利用して血液中に溶け込む酸素量を増やすものです。気体と液体(血液)の間には薄い膜が存在するのでこの透過ロスを経て血液中に溶け込みヘモグロビンと結び付いて全身に酸素が運ばれます。肺胞内の酸素分圧から膜の透過ロスを差し引いた値が動脈血の酸素分圧となります。

第一幸福丸の転覆事故

2009年10月に第一幸福丸が転覆し、船底の密封された空間に3名取り残されて4日後に救助されるという出来事がありました。この時「3日間どのように酸素が供給されたか?」ということがメディアで話題に上りましたが、上の法則を知っていれば、船内の酸素が減れば平衡状態を保つために「海水から酸素が放出されていた」という事が推測できる訳です。

拡散

煙は一般的に”濃い側”から”薄い側”へ拡がっていきます。決して”薄い側”から濃い側”へ集まり益々濃くなることはありません。これと同じ様に液体の中の酸素は必ず”濃い側”から”薄い側”へ移動します。これが拡散です。

酸素分圧の格差が大きい程、拡散する力は強くなりより広範囲に広がっていきます。これが「身体の隅々まで酸素が行き渡る」根拠となっています。


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